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2025/12/09 コラムNew

飲酒運転ゼロへ、企業ができること

 

忘年会や年末年始の会食が増える12月は、飲酒運転事故が年間で最も多い時期です。
警察庁の統計によると、飲酒運転による死亡事故率は非飲酒時の約7倍(警察庁)。企業にとっても、従業員が業務中や社用車で事故を起こせば、保険金が支払われないリスクや、社会的信用の失墜という重大な問題につながります。

今こそ飲酒運転防止が必要です。



 

 

飲酒運転での死亡・重傷事故件数は12月が最多

 警察庁の統計によると、令和2年から6年までの累計で、飲酒運転による死亡・重傷事故件数は12月が最多となっています(警察庁)。これは、年末にかけて飲酒の機会が増えることが大きな要因です。忘年会や仕事納めなどで外食や会食が増え、飲酒後に「少しなら大丈夫」と運転してしまうケースが後を絶ちません。
 

さらに、12月は交通環境そのものが事故リスクを高めます
・日没時間が早くなることで夕方の視界が悪化
・帰宅ラッシュと重なる時間帯に事故が集中
・冬季特有の路面凍結や天候不良
これらの要因が運転操作を難しくし、飲酒による判断力低下と相まって重大事故につながりやすくなります。
 

こうした背景から、12月は飲酒運転事故の発生件数が年間で最も多くなるのです。年末の繁忙期こそ、飲酒運転を絶対にしないという強い意識が求められます。

 

飲酒運転死亡事故の2割以上は第三者を死亡させている

 警察庁によると、飲酒運転による死亡事故では、死亡した方の約7割が運転者や同乗者ですが、第三者が命を落とすケースも2割以上に及んでいます(警察庁)。これは、飲酒運転による事故が加害者自身だけでなく、歩行者や他の車両に乗っていた人を巻き込み、多くの無関係な生命を脅かしていることを如実に示しています。
 

このように、飲酒運転は「自分だけがリスクを負う行為」ではなく、「第三者を巻き込む重大なリスク行為」であることが分かります。

 

福岡県での飲酒運転事故と取り組み

 福岡県では令和6年中、飲酒運転による交通事故が96件発生し、飲酒運転の検挙件数は1,828件と、前年よりいずれも増加しています。このうち、通報による検挙は通報件数2,245件中202件にのぼり、県民の「通報」の力が、飲酒運転の抑止に大きく寄与していることが示されています(TEAM ZERO FUKUOKA)。
 

この背景には、福岡県が全国初で導入した「飲酒運転を見かけたら通報する義務」を含む条例があり、令和2年6月から適用されています。この条例により、飲酒運転を目撃した県民・事業者・店舗などは110番通報が義務化されており、通報は匿名でも可能で、たとえ誤認だった場合でも罰則はありません。
 

過去の重大事例としては、粕屋町で男子高校生2名が犠牲となった飲酒運転事故や、海の中道大橋で幼児3名が亡くなった事故など、福岡県内でも多数の痛ましい被害が発生しています。これらの事例は通報や飲酒運転撲滅条例を含む啓発活動の必要性を強く後押ししています。 

 

飲酒運転での事故は免責になる可能性がある

飲酒運転による交通事故では、加害者本人の人身傷害や車両に対して保険金が支払われません。一方で、被害者救済の観点から、対人・対物の賠償責任については保険会社が保険金を支払われるケースがあります。その場合、後日保険会社は事故を起こした本人に対して求償を行うことがあります。社用車でもこの原則は変わらず、企業は信用失墜賠償対応のリスクを負います。

防止策として、就業規則で罰則規定を強化し、アルコールチェック体制代替交通ルールを整備することが不可欠です。

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