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2025/11/11 コラムNew

工事現場での盗難に備える

 


 建設現場や太陽光発電施設などで銅線や金属の盗難が、深刻な脅威となっています。警察庁の報告では、金属盗の被害額は年間100億円を超え、工事現場や倉庫が狙われるケースは増加の一途をたどっています。夜間や休日の無防備な現場は、犯行の格好のターゲットです。あなたの現場は、本当に安全でしょうか?

この記事では、盗難を防ぐための実践的な防犯対策と、万が一被害に遭った場合に損失を最小限に抑える保険の活用方法をご紹介します。資産と信用を守るために、今すぐ対策を見直しましょう。

 

盗難の現状 ‐ なぜ増えているのか?

銅線やアルミなどの金属は海外市場で高値で取引され、盗難被害は年間100億円規模に達しています。背景には、銅価格の高騰があります。国内取引価格は過去5年で約2倍に上昇し、電気自動車や再生可能エネルギーの普及による需要増が拍車をかけています(警察庁)。
 

さらに、盗まれた銅線はスクラップとして容易に現金化できるため、犯人は解体して「金属くず」として売却します。この状態では古物営業法の本人確認義務が適用されず、取引の足がつきにくいという法の抜け穴が存在します。
 

加えて、電動工具や精密機器も軽量で高額、フリマアプリなどで簡単に転売できるため、盗難の対象が広がっています。こうした要因が重なり、銅線や金属盗難は増加の一途をたどっています。
 

 

盗難による被害の影響

経済的損失:盗難による直接的な損失だけでなく、修理や復旧にかかるコストも増加します。
生産停止:重要な設備の盗難や破壊により、操業停止や遅延が発生します。
信用低下:顧客や取引先からの信頼を失う可能性もあります。

 

盗難の対策

1.物理的な防護策
高いフェンスや監視カメラの設置
 視覚的な抑止効果と証拠確保のために必須。
・セキュリティゲートや警報システムの導入
 不正侵入を検知し、即時対応できる体制を整える。
・鍵の管理徹底とアクセス制限
 鍵の貸出記録や権限管理を厳格に。

2.管理体制の強化
・定期的な巡回と点検
 夜間・休日の見回りを強化。
・作業記録や出入り記録の徹底
 誰がいつ現場に入ったかを明確化。
・従業員への防犯教育
 「盗難は他人事ではない」という意識付け。

3.技術的な対策
・銅線に識別タグやシリアル番号を付与
 盗難後の追跡や転売防止に有効。
・特殊コーティングや仕掛けの導入
 切断しにくい構造や警報付きケーブルなど。

 

保険の活用

どれだけ防犯対策を強化しても、盗難リスクをゼロにすることは困難です。そこで重要になるのが、保険によるリスクヘッジです。工事現場や倉庫で発生する盗難に備えるには、以下の保険が有効です。


・建設工事保険・動産総合保険
 工事現場の資材や機材の盗難を補償。火災や自然災害だけでなく、盗難も対象になる場合があります。契約時に対象物を明記することがポイントです。
・事業用火災保険+盗難特約
 
倉庫や事務所での工具・資材の盗難をカバー。現金や貴金属も補償対象になるケースがあります。

 

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